賃貸アパートの経営が難しいエリアでも、外観や間取り、セキュリティ等の徹底的な差別化で入居者の確保に成功

ご相談内容

  • 祖母からアパートを相続したが、老朽化しているため建て替えを検討。
  • 賃貸アパート/マンションが多い地域な上、立地もあまり良くないことから、経営がうまくいくか心配。
  • それまでに相談した建築会社数社の提案内容が、実情にあっているのかが知りたい。
  • 祖母から直接相続した物件を妹と2人で経営すること、費用の一部を母が負担することに関して、法的に問題がないのか知りたい。

テラコーポレーションからの提案

賃貸経営についての提案

現状、相続税の基礎控除額引き下げ等により、賃貸物件の建築ブームが起きていますが、今後の人口減等を考えると、むやみに建築するのは危険であることをご説明し、さらに競合状況が激しいエリアであることから、次のような綿密な市場調査で状況を正しく知ることから始めることを提案しました。

① 現地周辺の弊社のコンサルティング事例の確認
② 現地周辺の不動産業者への聞き取り調査
③ 現地周辺の弊社の管理物件にお住いの方からの聞き取り調査

調査の結果、当エリアは賃貸物件の数が多く、お部屋を探している方は賃料にシビアな方が大半であることがわかりました。賃貸経営をする上でとても厳しいエリアだと言え、賃料設定だけでなく、物件自体の魅力が入居者確保にとって重要なポイントになります。
そこで、建築予定地が整形地で、ある程度広い間口があること、また、周囲は大手ハウスメーカーのスタンダードな仕様の物件が多いことから、外観が北欧風で中庭形式の建築をお勧めしました。
また、市場調査の結果、該当エリアでは1Kの賃貸住宅は既に飽和状態であることが判明したため、現時点でエリアでの需給バランスの良い1LDKを中心に、リスクヘッジのために別タイプの間取りも準備して提案しました。

相続対策や節税についての提案

お客様は相続税の節税の観点から建築予定地をご祖母様から直接相続されましたが、今回の賃貸アパートを建築するにあたっては、お母様のご意向から妹様と2人での経営を考えていらっしゃいました。
この点につきまして、土地がお客様おひとりの名義でも、建物を共有名義にできること、建物の共同所有者が身内(妹様)であれば、土地を使用貸借すること(無料で貸すこと)も問題ないことを説明しました。

また、お母様が建築資金の一部を贈与する形で負担され、贈与分に関しては相続時精算課税制度の利用を考えておられました。
相続時精算課税制度は目先の贈与税を先送りできるという点では便利ですが、相続時精算課税制度を利用して受け取った財産は相続税の対象となるため、適切な相続税対策(相続税の税率が贈与税の税率を下回る)をしないと逆に損になること、加えて、一度相続時精算課税制度を利用すると、毎年110万円までの贈与分が非課税になる暦年贈与が使えなくなることを説明しました。

お母様の資産状況やご年齢を考えると、相続時精算課税制度を利用して税金を先送りするメリットより、暦年贈与が使えなくなるデメリットの方が大きいことを伝え、最終的に、今回の建築資金についてはお母様の援助を受けず、相続時精算課税制度の利用は見送ることになりました。また、建物を共有名義にすることで将来的に考えられる問題点なども説明しました。

コンサルタントから

お客様が他社から提案された1Kの部屋の妥当性を確認し、賃貸経営を成功させるための綿密なマーケティング調査を行い、入居者に選ばれる差別化をどのように図るかということに注力して提案をまとめました。結果として、他社から提案された1Kの間取りはニーズが供給過多になりつつあり、違う間取りで勝負する必要があること、外観も含めた建物全体のコンセプトで入居者に選ばれる建物にするという差別化が効果的であることから、「外壁材にヴィンテージタイルを採用する」「各玄関のポーチ灯など小物にも気を配り欧風なデザインに統一する」「中庭を設けてタイル貼りにするなど」など外観に気を使いつつ、「長屋形式でありながら、共用門扉を設けてオートロックを採用する」「自転車置き場を門扉の外側ではあるが、少しだけ奥まった場所に設ける」などセキュリティにも配慮して、入居者のニーズと住み心地を両立させる賃貸アパート建築を実現しました。

他の弊社コンサルティング物件に比べますと多少遅いとはいえ、建築後3ヵ月が経過するまでにはすべての部屋で入居者が決まり、お客様の賃貸経営は順調に滑り出しました。その後も長い期間空室になることもなく堅実に経営できており、私もほっとしています。

同じような悩みを抱えるお客様へ

建設会社としてハウスメーカーを選ぶと、大量発注による仕入れコスト削減や保証の問題などから、建物や内装、設備や間取りなどがどうしても画一的になってしまいがちです。特に今回の事例のように競合状況が激しく賃貸経営が難しいエリアでは、入居者のニーズを踏まえた明確なコンセプトの策定と、それに伴う差別化を図ることが重要です。しっかりと差別化ポイントをアピールできないと、新築時こそスムーズに入居者が決まっても、新築時の入居者が退去した後は、募集をかけてもなかなか決まらず、家賃を下げることになったり、フリーレントや広告費を余分に支払うことを余儀なくされるなど、賃貸経営はますます厳しくなることが多いのです。
入居者が決まらず競合物件と賃料の値下げ合戦になり、築5年未満であるにもかかわらず新築時より20%も賃料が下がってしまったというケースもあります。

今回は差別化のためのきめ細かな注文に柔軟に対応してもらうため、あえて工務店に建築を依頼しました。工務店には、ハウスメーカーに建築を依頼した場合と比べ、任せきりにできるところが少ない反面、使用できる資材や設備の自由度が高いという特徴があります。「知っている工務店も無いし、どの工務店が良いのか分からない」「名前を聞いたことのないところに依頼するのは、漠然と不安がある」「専門知識が無いし、差別化をどのように図ればいいのか迷う」など工務店に直接依頼するのが難しいと感じる方、そういう時こそコンサルティング会社を頼りにしてみてはいかがでしょうか。